1年単元「正負の数」指導計画            
 
○指導上の問題点
・「なぜ借金×借金でプラスになるのか」といったように、日常で使う数計算の範囲を越えている点。
・本来定義であること(符号の決定など)を発見的に捉えさせようと、モデルを使って理解できるようにと願う反面、ややもするとドリルになってしまう。また、 「そのモデルでなかったらどうなるのか」と思われてしまう。
・数や演算にいろいろな解釈が入るため、教師の説明が長くなり複雑になる。
  例;+は前に進むとか、0を今の位置と考えたり、3−(−2)において、3を<3と2と−2>というように捉えなければならない点。
 また、3つの数の積などへの説明がしにくくなる。
・各法則(交換・結合・分配)の検証が演繹的に行われている。
・本来別の演算の加法と乗法を、できれば一つの教具ですっきりと説明したいところだがそのようなものがなかなかない。
 
○指導の実際(基本方針)
・小学校からの関連(和、積の定義など)を大切にする。
・あまり、こみいった説明にならないような教材を与える。
 
1.負の数の導入(意味)

青函トンネルの図を用いて、基準を決める(決め方は自由)と<数値+高低>
で各位置を表せる。ここから反対の性質を意味する符号の必要性を考えさせ
たい。(例:「100m高いところは40m低いところより何m高いか」は、
(+100)−(−40)=+140へと結び付くことを示唆し、負の数に計
算も考えられることを示す。また、2m高いところは3m高いところより1m
低い→−1m高いと解釈し、2−3=−1となる考え方も示しておく。
 
 *差(減法)については即導入している。
 
2.数の大小(数直線、絶対値、不等号による表現)

正範囲の数直線で3−2=1等を数直線と対応させて説明する。では、2−3
がどこにあるか、と聞くことによって負の範囲の数直線を導入する。小学校同
様、右にある数の方が大きいことを決める。(前時の導入が大きく関係してく
る。)絶対値を定義し、大小や加法に結び付ける。
 
 
3.加法(意味、交換・結合法則、3つ以上の数の加法)

<トランプゲームによる学習>
黒いカードを一人2枚配り合計何点か大きい方が勝ちのゲームをする。(和の
考え)(+2のカードと+3のカードで+5のカード)又、ババ抜きの形式で
もやってみる。(追加の考え)「赤いカードで負の数を表し、混ぜたらどうす
ればよいか。」と聞いても、「+2と−1で+1」とか、「−3と−5で−8
」等も苦手な子からも出る。交換・結合法則も説明が簡単にできる。点数の結
果は数直線上で示すとよい。
 
・トランプゲームでは小数、分数での計算場面に有効ではないという意見もあるが、(数直線やベクトルなどの学習を通して得られる)数概念によって、−1.1+2は−11+20ができるなら可能と思う。
 *前時との関連をかなり断ち切ってしまっている。
 
4.減法(意味、減法を加法に直す)

−3のカードを取られることはうれしい。+3のカードをもらうことと点数的
には同じ。これより−(−3)は+(+3)と等しい。
+3のカードを取られることは悲しい。−3のカードをもらうことと点数的に
は同じ。これより−(+3)は+(−3)と等しい。
 
 *導入段階での正負の数と加法・減法の段階での正負の数のモデルが異なっており、数や演算における解釈も変わっている。又、ややドリル的な要素も強い。
 
5.加法減法の混じった計算(数の符号と演算の記号の同一視→代数和)
 *代数和の考えを理解する。
 
6.乗法(意味、規則、交換・結合法則、3つ以上の数の積)

「かけ算の問題はどんなのがあるか」ということから、かけ算が繰り返しを意
味するところからa×(+2)が「aを2回もらう」、a×(−2)は「aを
2回取られる」ということから積の規則を決める。
 
 
7.除法(意味、逆数の意味、乗法に直す、乗法・除法の混じった計算)

「ある数で割ることは、逆数をかけることと同じ」について、「a÷b=□を
求めることはa=b×□が成り立つ□の中を求めること」から理解を図る。
 
 
8.四則の混じった計算(計算の順序、分配法則)

小学校の計算規則をそのまま活用する。分配法則については、「横浜に行くの
に各駅停車で横浜まで行くのでなく、東京まで行って横浜に行った方が楽だ。
(37×99=37×100−37×1)」の例を出す。
 
 
9.発展的な課題をする。(魔方陣・小町算)