スピルリナエキスの癌転移抑制作用について
スピルリナは、アフリカや中南米など熱帯地方の塩湖に生育する藻類の一種で、植物界で最も原始的な原核植物です。牛肉の3倍ものたんぱく質を含み、その他のビタミン、ミネラルも多量に含んでいることから、1974年の国連世界食料会議で未来の食料資源として一躍脚光を浴びることになりました。
富山医科薬科大の済木育夫教授らはスピルリナより抽出精製した硫酸化多糖を使ってガン細胞が転移するのを防ぐ動物実験に成功しました。(日経産業新聞1996年)血管を流れる癌細胞が別の組織に転移するには、血管の内皮を破って外に出るステップが必要ですが、ねずみの血管にメラノーマ癌細胞を投与するのと同時に硫酸化多糖を与えたところ癌細胞の肺への転移は硫酸化多糖がない場合の35%まで押さえられました。硫酸化多糖を含む溶液をねずみに飲ませた場合でも、結腸癌などの癌細胞の転移を抑制できたといいます。
癌細胞は細胞の表面に「かぎ」に相当する構造の分子を持ち、血管内皮にある「かぎ穴」に結合することで血管にくっつきますが、スピルリナの硫酸化多糖が癌細胞のかぎにくっつき血管内皮の鍵穴に取り付くのを防いでいるのだろうと済木教授は話しています。
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